声帯ポリープ
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声帯ポリープ
エッセンス
声帯ポリープは、風邪や大声などで声帯に小さい出血と炎症が起こり、声帯の縁に隆起ができる病気です。症状は声を出しにくい、声がかれるなど嗄声(させい)といわれます。普段から正しい発声法を行っていないひとが、カラオケや運動会の応援などで大声を急に出したあとに生じます。
原因は、「声の使い過ぎ」の後に起こることが多く、喫煙・飲酒習慣や間違った発声法が増悪因子としてあります。声帯を酷使すると、炎症がおこり声帯の粘膜が充血します。この状態でさらに声帯を使用し続けると、粘膜下で小出血がおこり血腫(血豆の様なもの)になります。この段階ではまだ「赤色ポリープ」で、安静にしていればこの血腫も次第に小さくなりますが、自然に縮小しない場合は血腫が黄色のゼリー状の成分に変化して「黄色ポリープ」となり嗄声が続きます。また症状が進行すると、声帯全体が腫れるポリープ様声帯という病気に進行してしまいます。
ポリープ様声帯とは、声帯全体がむくみ、腫れあがった状態になる病気です。声帯ポリープと声帯結節は声帯の一部分が腫れたりこぶになったりする病気ですが、こちらの病気では声帯全体が侵されてしまいます。多くの場合は声帯の両側のラインケ腔という部分にゼリー状の液体がたまり、不可逆性の嗄声をきたしてしまい手術が必要になります。
この原因はのどの酷使との関連にはなく、喫煙と飲酒が大きく関与していると考えられています。症状は、声がれ(嗄声)のほか、のどの違和感や乾燥感などの症状を訴える患者様も多いようです。間接喉頭鏡検査や喉頭内視鏡検査で声帯を観察することで簡単に診断できます。
主な症状は、声がれ(嗄声)です。他にも喉の違和感や声が低くなるなどの症状があります。声帯の縁にポリープが出来ることで、声門が上手く閉じずに息がもれてしまうために、声がれが起きてしまいます。
声を聞けばだいたい予想は付きますが、視診(見ること)が基本です。診断には喉頭内視鏡検査が有用です。硬性鏡と軟性鏡がありますが一長一短があります。GRBAS尺度という声枯れを評価する指標と、MPT(最長発声持続時間)を測定します。また、VHI(Voice Handicap Index)というアンケート調査表を用いることで、日常生活でどの程度お困りかを評価します。
ストロボスコ―プという声帯のうごきを観察できる器械を使用しますと粘膜波動がきれいに観察できて診断に非常に有用です。
出血して間がない赤色のポリープであれば消炎鎮痛薬やステロイド薬で炎症を抑えます。また、基本的な点として「声の衛生(のどを潤す、腹式発声、咽頭共鳴)」を指導します。喉頭内視鏡で観察すると、多くの方が誤った発声法で声帯に負担をかけていることが見つかります。これらの方には正しい発声法とご自宅でできるリハビリテーションをレクチャーさせていただきます。
時間が経って黄色ポリープになるとなかなか薬やリハビリで治ることはなく、手術によって直接の原因であるポリープを取り除く必要があります。声帯ポリープは喫煙習慣や間違った発声法が続くと、再発しやすい病気です。治療後も正しい発声法で声帯をいたわり、タバコは控えましょう。
手術の方法には2つあります。全身麻酔をして喉頭顕微鏡という機器で手術をする方法と、局所麻酔をして内視鏡で患部を見ながら切除する方法、あるいは眼科などで使用されている特殊なレーザーで凝固する治療があります。
いずれも当院の連携施設へご紹介いたします。院長は音声研究で留学後に大学病院にて音声専門外来を担当しており、術前・術後のフォローアップも安心してお任せください。
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