滲出性中耳炎|ひわたし耳鼻咽喉科クリニック|【土日診療】亀岡市で口コミが評判の耳鼻科

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滲出性中耳炎

エッセンス

  • 滲出性中耳炎はお子さんに多くみられ、難聴や耳閉感がでます。
  • 急性中耳炎以外に、アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎・アデノイド肥大が原因。病状に合わせた治療が大事です。オトヴェント(自己通気)も指導します。
  • 長引くと言葉の発達に影響がでたり、鼓膜が凹んで癒着性中耳炎や真珠腫性中耳炎に進むことも。

★当院では日帰りでの鼓膜チューブ留置術を受けていただけます。

滲出性中耳炎とは

滲出性中耳炎とは、鼓膜の奥の中耳腔に滲出液と呼ばれる液体が貯留する病気です。
急性中耳炎などで炎症がおこった後に、中耳腔の細胞や血管から炎症性の水が滲みでてきます。これを滲出液といい通常は炎症がおさまると中耳と鼻の奥をつなぐ耳管から喉の方へ排出されます。しかし、耳管が何らかの原因で機能しなかったり、鼻がはれている状態が続くと滲出液が排出されずに中耳腔内にととどまり、耳の詰まった感じ(耳閉感)や難聴が生じる滲出性中耳炎を発症します。
どの年齢でも起こりますが大半は子どもに発症し、子どもの場合は両耳のこともあります。
また、滲出性中耳炎を長期間放置すると、子供の言葉の発達に影響がでたり、癒着性中耳炎や真珠腫性中耳炎に進む恐れもあります。

滲出性中耳炎の原因

鼻の奥にある上咽頭と中耳は「耳管」を介して空間的につながっています。中耳は耳管を介して換気されることで外気圧と気圧差がないように調節されています。
通常、耳管は閉じていて、ものを飲み込んだり、あくびをしたりすると耳管が開き、中耳圧と外気圧が同じになるように換気されます。換気ができないと中耳は陰圧となり、血管から水分が引き出されて滲出性中耳炎になります。中耳換気ができない状況とは、いわゆる「耳抜き」ができない状況です。小児は耳管が大人より短く水平で、機能も未熟なため滲出性中耳炎になりやすいとされています。
急性中耳炎から滲出性中耳炎に移行する症例も多くみられます。また、「鼻すすり」も中耳に陰圧をかける原因になります。他にも、アデノイド肥大、副鼻腔炎による鼻汁、加齢などによる中耳換気障害も滲出性中耳炎を引き起こします。
その他に、飛行機に乗った際にうまく耳抜きができずに鼓膜に炎症が起こり、それが中耳に波及して浸出液がたまる「航空性中耳炎」といったものもあります。スキューバダイビングの際も同様に耳抜きができないと滲出性中耳炎がおこります。また、高齢者では滲出性中耳炎の原因として、上咽頭にできた腫瘍や癌で耳管がふさがれてしまい滲出性中耳炎になることもあり注意が必要です。

滲出性中耳炎の症状

急性中耳炎が治る過程で滲出性中耳炎になるのは自然ですので、その場合は耳鼻咽喉科でフォローして滲出性中耳炎が治るまで経過を見ますが、痛みを伴わない軽症の中耳炎の場合は知らない間に滲出性中耳炎になったまま時間が経過していることがあります。滲出性中耳炎は単独では急性中耳炎とは異なり耳の痛みや発熱を伴いにくいので、乳幼児期の子どもに発症した際には保護者の方が以下のような症状に気がついてあげる必要があります。
・耳の詰まった感じ(耳閉感)
・聞き返す(難聴)
・大きな声で喋る
・TVを見る時に近づいたり、ボリュームを上げる
・呼びかけても反応しない

滲出性中耳炎になりやすい子ども

滲出性中耳炎を発症した子どもには、主に以下のような傾向が見て取れます。
・風邪をひきやすく、咳や痰が続いている
・アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎で、鼻水や鼻づまりが続いている
・大きないびきをかくなどアデノイド肥大が疑われる場合

滲出性中耳炎と急性中耳炎の違い

滲出性中耳炎は急性中耳炎の治る過程で一連の流れとして出てくることが多く、その場合は耳鼻咽喉科で診察してフォローします。ただ、鼻づまりやアデノイド肥大をお持ちであれば、中耳炎とは関連なく静かに発症していることもよくあります。
滲出性中耳炎と急性中耳炎は、主に症状の違いによって区別することが可能です。
急性中耳炎では耳の詰まった感じや難聴に加えて、耳の痛みや発熱といった急性炎症特有の症状が現れます。一方の滲出性中耳炎では耳の痛みや発熱など他の症状を伴うことはほとんどありません。
このように滲出性中耳炎は、急性中耳炎ほど際立った症状が現れにくいことから、特に乳幼児期の子どもに発症した場合、自らが進んで周囲に症状を訴えるようなことはほとんどありません。また片方の耳だけに滲出性中耳炎があるときは、反対の耳は聞こえているためご家族も難聴に気づきにくく、本人もその状況に慣れてしまって耳閉感を訴えないこともよくあります。滲出性中耳炎が長引くと、鼓膜が凹んで奥の骨に癒着したり、凹んだ部分の周囲の骨を溶かしてしまう真珠腫性中耳炎に進行することもあります。

滲出性中耳炎の診断

滲出性中耳炎は、顕微鏡や内視鏡を用いて鼓膜を観察して診断します。難聴の程度を確認するために純音聴力検査も行います。
ティンパノグラムという検査では、中耳腔が陰圧になっているかをチェックします。また、内視鏡を用いて鼻内や上咽頭を観察することで鼻づまりの程度や副鼻腔炎、アデノイド肥大、成人の方では上咽頭癌の有無を確認します。

滲出性中耳炎の治療

滲出性中耳炎による難聴がひどくない場合や鼓膜がまだ陥凹していない時期では、原因となる疾患の治療を行いながら、経過観察を行います。
治療内容としては、滲出液がスムーズに排出されるように、鼻の奥にある耳管開口部周囲の炎症をとります。具体的にはその炎症の原因である、鼻炎や副鼻腔炎、咽頭炎を改善していくために、ネブライザーや鼻水の吸引などの鼻処置を行います。お薬としては、炎症を抑えるものに加えて滲出液の排出を促す薬の内服も行います。
長引く場合や、アデノイドが大きい場合は手術が必要になります。

(1)通気処置
お薬の効果が不十分な場合は、通気処置を行います。
当院では一般の診療所で使われているもの以外に、イヤーポッパーとオトヴェントを導入しています。
イヤーポッパーは空気振動を鼻から送る機械で、お水を1口飲んでもらうとその時に耳管が開いて通気されるしくみです。3、4歳以上で指示に従ってもらえると問題なく通気ができます。
風船タイプのオトヴェントはご自宅で通気処置ができる子どもであれば、鼻でバルーンを膨らませる事によって耳管を開き、中耳内圧と外気圧とを等しくすることが自分でできる器具(自己通気器具)です。主に滲出性中耳炎の治療に用いられています。最近では、ダイビングの耳抜き不良の改善、航空性中耳炎の予防、高気圧酸素療法中の耳痛の予防などにも使われております。子どもから大人まで使用している製品です。

(2)マクロライド少量長期投与
通気処置ができなかったり、上記の治療で改善が見られない場合は、副鼻腔炎と同じようにマクロライド少量長期投与といって、抗生剤を通常量よりやや少なめの量を長く飲む治療を行います。抗生剤の使用は短期間ですませたいものですから、一時的に行ったり、よくなってきたら早めにやめたりと保護者と相談しながら行います。

難聴がひどくなったり、鼓膜が陥凹して癒着傾向が出る、あるいは長期間続く場合(3ヶ月以上)には、滲出液の排出のために、鼓膜切開術や鼓膜チューブ留置術という外来でできる処置を検討します。

(3)鼓膜切開術
鼓膜を切開する目的としては、中耳腔内に溜まっている滲出液を排出させる事と中耳腔内の換気です。滲出液がなくなると鼓膜がよく振動し、聴力の改善が期待できます。切開した鼓膜は数日で自然に閉鎖しますが、耳管の機能が改善していなければ、治療後に再度滲出液が溜まり再発することがあります。

(4)鼓膜チューブ留置術(チュービング)
鼓膜切開を行っても、滲出性中耳炎による滲出液の貯留が繰り返される場合には、鼓膜チューブ留置術(チュービング)という方法で鼓膜の切開部分に換気口の役割でチューブをはめ込んで留置します。チューブはシリコン製で違和感なく、数mm程度の小さなもので外から見えません。また、チューブには短期留置型(約3ヶ月程度)と長期留置型(2年程度)があり病状に応じて使い分けています。
この手術は外来で行える手術ですが、処置の際に動いてしまう小さな子どもには行えません。連携病院へ紹介して全身麻酔でチューブを留置します。チューブ留置が必要だと判断した場合に外来でできるかどうか判断いたします。アデノイド肥大が原因となっている場合は、アデノイドの切除と鼓膜チューブ留置術を同時に行います。

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